
1966年12月3日リリースされた、バンド初めてのオフィシャルライブ盤です。1966年英国ツアーライブの決定版ですが、実はややこしいライブ盤なんです。クレジットにはRoyal Albert Hallでのライブと記載されているのですが実際は?
1966年はストーンズが大躍進した年で、2月リリースのシングル19th Nervous Breakdownは英米で2位。5月リリースのPaint It Blackは共に1位.6月リリースのMothers Little Helperは米国6位、 9月にリリースのHave You Seen Your Mother Baby,Standing in Shadow?は英国で5位米国で9位。と破竹の進撃。
アルバムAftermathは1966年4月にリリースし大ヒット。その後の6月と7月の北米ツアーは大人気で、この人気を利用するために、ロンドンレコードは12月3日にライブアルバム「Got Live If You Want It!」をリリースしました。以前UKで発売されたEP盤と同じ名前です。次のオリジナルBetween the Buttonの製作が数か月遅れていたこともライブ盤発売の要因になっています、
収録曲 Under My Thumb、Get Off of My Cloud、Lady Jane、Not Fade Away、I’ve Been Loving You Too Long、Fortune Teller、The Last Time、19th Nervous Breakdown、Time Is On My Side、 I’m Alright、Have You Seen Your Mother, Baby, Standing in the Shadow?、(I Can’t Get No) Satisfaction
3曲目に名バラードLady Janeのイントロが始まり観客の歓声がキャー!痺れます。ちなみにDecca,London時代の3大バラードはLady Jane,As Tars Go By,She’s a Rainbowと言われています。
プロデューサーは、ロンドンのロイヤルアルバートホールでのライブのアルバムを作ることを当初考えていましたが、観客の暴動によりわずか2曲で中止されました。そこで代わりに他の10のコンサート録音と、2つのスタジオトラックと一緒にし、観客のノイズをオーバーダビングしてアルバムを作りました。
実際の録音会場は、ニューカッスル市庁舎(1966年10月1日) コルストンホール、Under My Thumb、Get Off of My Cloud、Last Time、19th Nervous Breakdown
ブリストル(1966年10月7日) Lady Jane、Not Fade Away、Have You Seen Your Mother, Baby, Standing in the Shadow?、(I Can’t Get No) Satisfaction
不明会場(1966年3月5〜7日) Time Is On My Side, I’m Alright
音源が足りないため追加したスタジオ録音はI’ve Been Loving You Too LongとFortune Teller
LPはUS6位と大ヒットしましたが、ストーンズメンバーは後にリリースを承認していないと発言しています。


当時の国内盤LPは、The Rolling Stones Live(ザ・ローリングストーンズ実況録音)として売り出され、ジャケットの文字は「have you seen your mother LIVE!」と差し替えられていました。もちろん裏面も違います。今このLPを聴くと音もこもり気味でミックのボーカルだけ浮き出ていまいち。しかしAbkcoのリマスターCDで聴くと、各楽器の演奏もクリアに聞け、バランスもバッチシ。Decca,London時代の音源はリマスターCDで聴くことをお薦めします。
スタジオ録音2曲、歓声のオーバーダビング等疑似ライブ問題もありますが、66年の若々しい疾走感あふれるライブが聴ける貴重な素晴らしい1枚と思います。やはりBootlegより良いです!